世の中の経済形態が大きく変化していく中、戦後の暮らしがようやく軌道に乗りかけた頃。 というより戦後復興のために必死で働いてきた人たちがようやく豊かな暮らしを始められる時代になると、流通経済の発展へとつながっていきます。生きんがための購入から楽しみのための消費活動がだんだんと庶民の間に広がりつつあり、以前なら特別な消費であって余所行きであったものが日常へと転化されていくのです。その使命を帯び実践していったのがいわゆる「チェーンストア」でした。
「流通革命」を旗印に多くの人々の豊かな暮らし実現のために活躍した企業が知らぬ間に世界に浸透していきます。小生が永年かかわってきた業界にはいわゆる外食産業がありました。これから成長が見込めるという触れ込みで大卒の外食マンが続々と誕生していくわけです。
外食そのものの歴史はとても古く、いわゆる職業としての水商売は娯楽の一つとしてちょんまげの時代から存在はしていたし世界各国を鑑みても王朝のあった国には伝統的な料理というのが今でもあり現代の外食の料理モデルになっていることは否定できません。
会席料理、フランス料理、中華料理などといった宮中料理などが特徴です。
一方、我が国の近代状況を鑑みると、全国至る所に駅前食堂というのが主流としてあり日常の働くお父さんたちの憩いの場を提供していました。また、特別な会食を提供るシティホテル、○○会館、公共施設等の飲食施設があります。それから鉄道機関車内の飲食などがありましたね。
次に登場するのが百貨店の最上階にある大衆食堂。一家そろっての楽しみの食事場面の登場です。この時代あたりから高度成長のピークを迎えていくわけです。漫画「サザエさん」に出てくるマスオさんとのお見合いの場所は百貨店の食だったと記憶しています。おそらく福岡市の「岩田屋」だったと思いますが・・・注 一店舗でなんでもありのメニュー構成だった食堂も今では専門店の集合出店の場となって機能しています
様々な外食店を整理しますと・・政治家や実業家などが会食に使っていた料亭、料理旅館、ホテルダイニングなどの老舗といわれるところ、駅前にある日常的な庶民感覚のお店、家族のための百貨店や会館などのお店、それぞれ西洋料理屋 和食や中華、そば、うどんなどいろいろと提供されていました。
多くは、家業であり規模も小さく生産性も低く、とても産業とは呼べないものでした。
また、消費活動を支えてはきたものの昔ながらの商店も同じ理由で衰退を余儀なくされるであろうと思っていたころに現われたのが「チェーンストア理論」というものだったのです。
本部集中の仕入れによるコストダウン、標準化されたオペレーション、セルフサービス、動線計画、立地計画、など綿密な戦略が従来の問屋手動、メーカー主導の経営では消費者のニーズに対応できない、消費者の「買い物革命」を促していく「流通」革命が全国に派生していったのです。外食の世界においても同じ波が押し寄せてきます。
レストランチェーンの登場です。
私が転職を考え始めた頃の現象に関しての説明のその⒈です 続く・・・
鉛筆画、たまねぎやらケーキを描く
(筆文字や隆庵)