2020年11月02日

仕事人としての目標

 米国から輸入したチェーンストアというマネジメントシステムがすべての支店経営という手法を凌駕するかの如き風潮。
特にマーチャンダイジングに関して中央集権による品揃え及び物流の在り方を目の当たりにすればするほど疑問が生じてきました。確かに重層的な流通の仕組みが我が国の消費行動の上位に位置づけられていたことによる価格決定権がメーカー主導であって消費者にとって不都合であった点は承知しながらも大量生産、大量販売、大量消費というものが中々広めにくかった点考慮したとしたうえで上記のシステムに忠実であればあるほどチェーン、特にナショナルチェーンのマーチャンダイジングが陳腐なシステムに見え始めたのが昭和50年代の中ごろだったように記憶しています。
一億総中流の時代といわれ、特に物不足を感じることも少なくなり消費する商品の目利きも出来るようになっていき、いわゆる戦後の流通革命を荷ったバイタリティ溢れる創業者の生活者としての感覚と一般消費者との微妙なズレが生じていきます。
 本来ならば、第二世代ともいうべきリーダーが時代に合った戦略に転換していかなければならない時が到来していたにもかかわらず、戦前戦後とサバイバルしてきた創業者が強烈に存在していたために方針転換がなかなか進まなかったのです。

つまり今までの成功体験、成功事例そのものが失敗要因となっていくわけです。消費者はいやお客様は、個性を重要視していき皆と一緒という今までのテーゼから徐々に離れていき欲求は10人10色どころか20にも100色にも細分化されていきます。
大量消費に合致するという点に絞っていた流通の仕組みそのものにほころびが生じていきそのために経営方針も経営の仕組み、組織から何からすべて見直し再生していく必要性が生まれます。
 事業推進に対して鬼のような努力をしていった創業者には敬意を表しますが、仕事が増え人が組織化され業績が淡々と上がっていくときというのはえてして組織の官僚化が進みがちであり、内政志向になることが多くなります。強烈なリーダーシップが発揮されているからこそ内部での出世競争に陥ってしまうのがいわゆる社員の癖であることは古今東西の権力争いの歴史から容易に読み取れます。というよりそれが人間の性なのかもしれません。
 こんな現象を薄々感じていたのですが、スーパーチェーンそのものの形も変化していきます総合スーパーからより専門的な量販店の拡大傾向が見えてきました。ホームセンター、家電、コンビニ、洋服の○○、大手スーパーは大きさゆえに簡単には変革できずにいました。
 いずれ外食チェーンもそうなっていくだろうなといった予感めいたものがありました。 当時レストランチェーンのスーパーバイザーをしていた私の思いでした。
 いずれ・・・細分化されるであろう・・・その時に私は仕事人としてどうなっていくのだろうか
  続く
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 今日の一筆 今が旬のなすびを描いてみました




posted by 筆文字や隆庵 at 10:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする