2022年04月30日

ゴーダマの出家

 父である王の思惑を裏切った形で、ゴーダマは出家の道を選びました。当時のインドは戦国時代のごとき有様で、国内のそこかしこは戦が続いていたわけであり、いかに生きるべきか、死とは一体何か、生まれてきた以上「死」は避けられない。ならば何故人は生まれてきたのであろうか・・・など人としての根本に対して大いなる疑問を感じていました。
 ゴーダマ達の民族「シャカ族」は中インドに於いての小国であり、いつなんどき他国に侵略されてもおかしくない環境にあったわけで、そのために近隣の「マガダ国」という大国と同盟を結び(安全保障条約のようなもの)抑止力として互いに武力の充実を図っていました。
そうした中に於いて、勇ましいクシャトリヤの部下たちは王子であったゴーダマを守護していたのです。
 人が人を殺め、領土の拡大や攻撃に対して当たり前のように人命を軽んじている、そんな生活は果たして正しいのであろうか。と悩みます

 一方で身分上最上位に位置している「バラモン種」という祭祀の教えとはこの世の苦しみに耐え荒行に身を任せ一身に来世を祈れば天国に行けるのであるといった教えが主流になっていて、あちこちで修行者が燃え盛る火のそばで熱さに耐えながら瞑想し、またある者は呪文をとなえながらバラのとげの上で座禅を組んでいる。この世の苦しみに耐えることで天上界にて良い生活をするためといっているが、今自分にとって大事なのは今生の世界ではないかと彼らの行為のむなしさを思うゴーダマであったのです。

 春夏秋冬にそれぞれの館を王より与えられ、数人の女性からの寵愛を受け何不自由なく暮らし将来の王の地位も約束されていたゴーダマにとっての苦悩とはどういうものであったか、また妻との間に生まれた子供まで捨てなぜ出家の道を選んだのであろうか・・

 といった一連の話は高橋信次著「人間釈迦」第一巻を一読いただけれはよくわかると思います

posted by 筆文字や隆庵 at 09:28| Comment(0) | 人生プロデュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする