この世の中は固定観念とその観念が創り上げる妄想と誤解から成り立っているのではないかとつくづく思う。
先日「沈黙の艦隊」という映画を観た、主人公が奪った原子力潜水艦に核が積載されているかどうかの話。
前段としての物語は
敗戦後の日本が軍という牙を抜かれ、自国の防衛すら自らでは行えず「日米安保条約」という約束の中に米国の言いなりになっている現在の
日本が置かれている環境に対するアンチテーゼの物語
海上自衛隊のエリートである主人公が武力なき平和というものの矛盾をついた主張を展開させ、世界平和とは一体どういう形で成立するのかを
問いただすという趣旨で展開されていく。
それは今の日本にとって検討すべき課題を投げかけているといえる。
現状世界各国の国民の考えや行動や暮らしぶりや、なにより調和の実現に関しての理解度を想像するに、日本人ほどその心根が浸透している国
はないのではないかと思う。世界平和の実現には日本の心のありようと物質主義の典型である米国との協力体制が不可欠な条件であろう
人類そのものの歴史は有史以前から闘争と破壊の連続、つまり戦争の繰り返しであったときいている
ともかくもそんな歴史に終止符をうつのだという主人公と現代の国家間に横たわる問題を浮き彫りにしてくれている。そんな作品である。
「沈黙の艦隊」感想なり