2023年12月12日

観察・分析・判断

 人生というものは日々の何気ない平凡な出来事によって淡々と過ぎていきます。その淡々と流れる時の経過に時たま事件が勃発し、或る時は慌てパニックになり、ある事件は今までの体験によって培われたノウハウによって解決していく。

 今回はどうだったか、何が問題で発生したのか、その原因とは何だったのか、こうすればよかったとかまずかったとか・・様々に問題解決という行為によって、僕たちの人生はより豊かなものになって行くのである。

 個人的な問題も団体における問題も同様な思考プロセスによってルール化しておくと便利であります。
チェーンストアの教科書にはこれらの一連のプロセスを標記のごとく「観察・分析・判断」という思考プロセスを解説しています。
観察とは文字通り客観的に現象、出来事を観るという事(見るという言葉でなく観るといった点は物事を俯瞰しているということでこの時点で一切の固定観念なるものを排除し純粋に出来事のみを観るという事)
であって、出来事を記録するという事になっています。例えばあるチェーンストアの中で品切れが続出している。という指摘をお客様から頂いたとする。この事件を観察したという事です。
分析とは観察した結果からその原因を探るという行為となり、いろんな角度から分析していきます。この品切れというケースを考えてみよう。

 まず売り場にその商品がなかったという事から導かれる要因の一つはバックヤードに在って売り場にない、つまり陳列計画の問題であって現場作業が停滞していたか・・・要因2として仕入れのミスの場合は仕入れ先に在庫が不足していたかもしくはストア担当者の仕入計画のミスかはたまた流通経路でのトラブルか、などがあげられる・・・こうした分析を瞬時に行うべしと教科書にはかいてあります。
 突き詰めていくといくつかの要因の大本は日々の在庫管理に尽きるという事になります。棚卸による在庫、POSシステムの活用方法の精度アップによる商品出数の予測と自動発注の仕組み、発注時点とリードタイムの関係、ロット数、広告の有無、重点販売の仕組みの改善など多くの要因が考えられるのです。これらを「分析する」といい次の「判断」という事になります。所謂実行段階に移るわけですが果たしてそれでいいのかという事を日々検証していき、再度観察というところにもどっていくのです。

プラン・ドゥ・シーといったマネジメントサイクルでいえば観察とはシーの事、プラン・ドゥーは判断と分析
という事でしょうか

 さて、2500年前にお釈迦様がとなえられた「八正道」という教えは見事に上記の点を捉えています。八正道とは自らをいかにマネジメントしていくかの方法論として大変興味深い教えであります。
 八正道とは 正しく見る 正しく思う 正しく語る 正しく仕事をする 正しく生きる 正しく道に精進する 正しく念じる そして正しく定にいる。の八つになります。

 正しく見るということは正しく観察するという事になるだろうし、正しく思うとは正しい生き方の基準をもって考えようという事だから
正しく語るとはみんなが理解できる言葉を使おうということになり正しく仕事をするということは正確な行動、作業をせよという事になります。正しく生きるという事は自然の理屈、物理学上の定理を活用しろという事とそれらと調和していこうという科学が存在している事を知れということ 正しく精進せよとは人間関係の上でも正しく見、思い、語り 行為せよという事を言われている。

 正しく念じとは・・・念とは願いであり願望でありある意味目標なのだから、綿密な計画を立てろという事
定にいるとは、すなわち反省して日々の生活に生かせよといっていると思うわけです。

 反省は必ず善意なる第三者の立場で自らの想ったこと行ったことについて観察するといった姿勢を持つことが大切であり、普段の自分を省みるという作業はなくてはならないものだと思っています。
 仕事も人間関係も家庭環境も身体の健康もすべてはうまくいくようになっているのにそうなっていない項目があるとすればそれは自己中心的な思いと行いが障害になっているのです。

posted by 筆文字や隆庵 at 11:05| 福岡 ☁| Comment(0) | 人生プロデュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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