一週間の出来事を追いかけて、それぞれの因果を予測する
ある飲食店の経営を指導した時の話(その1)
実は、一年間はこの一週間が52回あるわけだから、一週間をきっちりと管理していけばいいのである。・・・ ということから始めたのが店舗経営一週間の歩みなのだがそれはそれで結構難しい面も多々あったのである。
通常、月次決算は店が委託している「税理士事務所」が行うのですが、結果が出るのが遅いのが難点・・・・なぜなら、 経理業務を委託している飲食店のオーナーが経理に疎い場合が多くて、 よほど資金繰りに難儀しない限り経理業務は後回しになっているケースをよく見かける。いわゆる「税務会計」であって、 多くは税金対策でのみ経理を考えているような気がします。
こういった飲食店のオーナーの特徴は、おいしい料理、素敵なサービス、快適な店舗環境の構築などといった面での能力はすこぶる高く 「いい店」をつくるのは上手であります。いわゆる感性特化型才能とでもいえるのですが、計数管理は苦手かな・・・ お客が来ているにも関わらず儲からない
一方、経理畑出身のオーナーとなると、数値優先で経営していきますから、なんとなくぎすぎすして、 飲食店本来の付加価値とかに関しての配慮が少なく、結果的にお客が離れていっている・・・・数値はあっているのに、客数先細り
双方の良き所を合わせるという事が必要、何事もバランス感覚が大事という事になるのです。
一週間が年間52回あるという事に着目してとにかく一週間をどう経営していくかに神経を集中、いわゆる「週間決算書」づくりである。
一週間の業績×52=年間業績 の観点でマネジメントを行っていこうといった試みです。
その前に、整理しておきましょう。当たり前のことですが、飲食店というものの成立を整理するという事です。飲食店が成立する条件は・・ ・
1. 店があり客席が確保されていること
2. 料理を提供できていること
3. 働く人がいること
4. 店舗経営に必要不可欠な客数が確保できていること・・・そして
5. 資金があること・・・自己資金、借金を含む
この5つの条件を満たすことが経営活動であることをまず知ることが大事です。 これら5つの要点をバランスよくコントロールしていくことが大事であることがご理解いただけたでしょうか、さて問題はこれからです。
52ある一週間は様々に形を変えながら経営上の問題を投げかけてくれます。ある週は大雨があったり、台風が来たり、地震があったり、 地域の催し物があったりはたまた、地域の人々の給料日であったり、ほんとに様々です。
この中で、こういった様々なことはある部分定例的であり、ある部分否定例、突発であったりするのですが、 経営は博打ではないのですから突発に頼るわけにはいかないのです。予想予測がより正確に近い形で成立する必要性があるのです。
そこで、一週間なら、その程度の事ならある程度予測できるのではないでしょうか、・・・・ という理由から週間管理制度を取り入れたのです。構想、創造、予測、 こうなるであろうといった期待は過去のデータと日々の感覚から現実に近似する形が予定として表現されます。具体的にそれは、 売上予測となってあらわれてきます。この段階では予測であって予算ではないことに今は注目します。あくまでもトレンドとしてとらえます。
売上予測を元に、投入すべき原料、労働力というものが予測され、仕入計画、ワークスケジュール作成計画に入っていきます。 経費管理は発生主義です、支払主義ではありませんから、タイムリーに管理できるというわけです。それぞれの計画は曜日別になされ、 客数予想があたれば堅実な経営ができていくというのが、この管理方式の目的だったのですが、実際は多くの問題点を含んでいたのです。